築28年の企業社宅(ワンルーム25㎡×91戸)をリノベーションし、「コミュニティ賃貸」と「コレクティブハウス」という２つの住まい方を選べる共同住宅をつくるという初の取り組みです。
「コミュニティ賃貸」とは、水回り等を一通り備えた独立した住戸群に加えて住民が自由に使えるシェアスペースがある共同住宅です。
「コレクティブハウス」は隣人とのつながりを積極的に取り込んだ住まい方で、コミュニティ賃貸と同様各戸のプライバシーを確保しつつ、共用室にてコモンミール（当番制でみんなに食事を提供する）をはじめ共用部の運営管理を住民同士で協力し合って暮らす北欧発祥の共同住宅です。
 
既存建物は３棟がアトリウムを介してつながった特徴的な配置です。恵まれた既存プランを活かしながら、建物全体を一つの家のように借りることができるように、ラウンジ、コモンキッチン、コモンバス、ランドリー等の共用部を設けました。
住宅部分は、２戸を１戸に改修した住戸（50㎡）を加えた全73戸の賃貸住宅としており、コミュニティ賃貸44戸、コレクティブハウス29戸という内訳になっています。単身の方からファミリー、ルームシェアといった様々な幅広いニーズに対応できるようにしています。

既存の外観は、無彩色のタイルで外壁や床が統一されクールな印象でしたが、様々なひとびとのいろいろな暮らしが積層する木々が茂る森のような「まちのもり」のコンセプトに合わせてグラフィックペイント等であそびを加えました。
 
共用部を活かして、入居者様の様々なライフスタイルが実現でき、新しいコミュニティが育まれることを期待します。