「みんなが共に育つ」をコンセプトとした木造平屋建ての保育園です。
殺風景な市街化調整区域に、子どもたちの豊かな育児環境を実現するとともに、地域にも開く保育園とすることで、地域も街も共に育つ環境を実現したいと考えました。
「園舎」は乳児棟、幼児棟、共用棟という3つの建物で構成し、中庭を囲むコの字に配棟しています。中庭を介して乳児棟と幼児棟を向い合せに配置し、異年齢同士が日常的に触れ合いやすい環境にすることで、異年齢の交流ならではの心の成長を自然に促します。共用棟は、道路側に大きな窓を設け外と内の間に隔たりをなくし、また見学者の食事スペースを配置するなど、地域に開かれた保育園になるよう配慮しました。
「園庭」は日常生活の場と位置付け、3つのゾーン(「表庭」、「中庭」、「裏庭」)に分けて計画し、それぞれに特徴を持たせています。
「表庭」は、大きな土管を設置した築山や砂場を配置し、子どもたちが元気いっぱい遊べる場所としました。
「中庭」は、高木を植栽し、雑木林のような環境を整えます。木立の間に小さな築山や砂場、ウンテイや手押しポンプなどを設け、またコノ字廊下の列柱にはフックを設置し、日除けやハンモック、グリーンカーテンなど、立体的な環境創りができるよう、日常生活の延長で落ち着いた遊び場としました。
「裏庭」は、菜園や田んぼ、東屋を設けて、野菜や稲の成長を観察しながら、食育をしやすい環境を整え、静かに過ごすことができる場所としました。
園庭での生活を通して、子どもたちが自らの五感を刺激しながら、自然とともに日々成長していく環境としています。
小さい子どもたちは大きい子どもたちに憧れ、大きい子どもたちは小さい子どもたちを思いやりながら日々成長していく。その姿を大人たちが見守りながら自らも成長していく。そしてその活動が地域に拡がり新しい街が育っていくことを願っています。
outline
所在地 茨城県守谷市
用途 保育所
敷地面積 2248.29㎡
延床面積 669.23㎡
構造・規模 木造 地上1階
竣工年 2019年
awards
第13回キッズデザイン賞
子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門受賞
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